Q. ISOの内部監査では、適用範囲内のすべての部門・活動に対し、すべての要求事項を確認しないといけない?【ISOマネジメントシステム相談室・第23回】

―あなたの疑問・質問にお答えします—

なんと今回は、国府氏の内部監査に関する書籍の内容にについてのご質問を頂きました。

ISO9001/14001内部監査のチェックポイント222」(著:国府保周,出版:日本規格協会
https://webdesk.jsa.or.jp/books/W11M0100/index/?syohin_cd=330673

この書籍の内容のうち

“適用範囲内の部門・活動の網羅的な調査は、内部監査の必須条件である”

この部分を、巡りISO内部監査において、適用範囲を網羅的に見ないといけないのか?強弱をつけた監査の方が適切ではないのだろうか?、というご質問を頂きました。

今回は、国府氏が書かれている書籍を実際に参照しながら、該当部分い続いて示されている、次の文章まで含めて解説を頂きました。
ぜひご視聴ください。

ゲスト:

国府保周(こくぶやすちか)

収録日:

2023年12月22日

質問:

内部監査についてです。
「日本規格協会、国府保周さん著、ISO9001/14001内部監査のチェックポイント222」の316ページの中段に、“適用範囲内の部門・活動の網羅的な調査は、内部監査の必須条件である”との記述があります。
一方で、内部監査の有効性という点で考えると、網羅的な内部監査よりも、対象組織にとってのリスクや機会に焦点を絞った内部監査が効果的なISOマネジメントシステム運用と感じられます。
それは網羅的な内部監査をすると、内部監査員への負担がかかったり、内部監査員の知識が追いつかず表面的な監査になったりと、内部監査の形骸化に陥るリスクもあり、”ただ監査をした”に陥ることが考えられるからです。
また、ISO9001:2015の9.2を確認すると、「a 次の事項に適合している。2)この規格の要求事項」とあり、規格の要求事項に適合していることを確認しようとすると、すべてを確認しないといけないこともわからないではないですが、実際の運用上では、運用者がきちんと日常的に運用できていれば、内部監査では強弱をつけた監査の方が効果があり、形骸化を防ぐこともできると感じます。
そこで今回の質問ですが、「網羅的な調査は、内部監査の必須条件である」というのは、ISO規格の適合性を適用範囲内のすべての部門・活動に対し、すべての要求事項を確認しないといけないということでしょうか?(セルフマネジメントでかなりの要求事項への適合ができているということも組織によってはあると思われますし、そのような組織にとっては内部監査に負担がかかることやマンネリ化が形骸化につながりやすい気がします)

 

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